アルジェのイタリア女

ロッシーニの第12作となる 『アルジェのイタリア女』 は、1813年5月22日にヴェネツィアのサン・ベネデット劇場で初演され、作曲家にとって決定的な躍進となりました。1813年はワーグナーとヴェルディが生まれた年でもあり、当時ロッシーニは21歳でした。この時期の彼は“取り憑かれたように”働き、その創作ペースは伝説的でした。前年にはすでに6作のオペラが上演され、1813年にはさらに4作を追加しています。

彼は非常に速く作曲し、『アルジェのイタリア女』 は1か月足らずで完成したと言われています。しかし時間不足のため、ロッシーニは5年前に作曲家マルコリーニが音楽を付けたオペラの主題を再利用し、不当な盗作の非難を受けました。また、この作品にはモーツァルトの 『後宮からの誘拐』 との顕著な類似点が見られ、物語やテーマにも驚くほどの共通点があります。それでも、主役イザベッラを演じたディーヴァ、マリア・マルコリーニ（ロッシーニが多くのメゾソプラノ・コロラトゥーラ役を彼女のために書いた）と、ムスタファ役のフィリッポ・ガッリは、1782年のモーツァルト作品誕生以前にアルジェでの初演にすでに出演していました。アンジェロ・アネッリの台本によるこのオペラは大成功を収め、その後まもなくヨーロッパ主要歌劇場のレパートリーに加わりましたが、後に長い間不当にも忘れられてしまいました。

経験豊富なイタリア人演出家 エマヌエレ・ガンバ が、アルジェのベイの宮殿のオリエンタルな色彩、巧妙なコロラトゥーラ、そして入り組んだ物語の喜劇的展開を舞台に描き出します。オーケストラは名高いイタリア人指揮者 マルコ・グイダリーニ が率います。

プログラムとキャスト