ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほど、ヨーロッパのクラシック音楽の歴史と伝統に密接に結びついている音楽アンサンブルはおそらく他にないでしょう。過去180年の間に、オーケストラは世界中の音楽史に影響を与えてきました。

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、1842年にオットー・ニコライによって創設されて以来、著名な作曲家や指揮者、さらには世界中の観客を魅了し続けている理由は、代々継承される均質な音楽スタイルの維持と、ユニークな歴史と行政構造に基づいています。基本的な柱は、音楽家がすべての芸術的および管理的な意思決定を担う民主的な組織と、ウィーン国立歌劇場のオーケストラとの密接な共生です。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定款には、オペラオーケストラの音楽家のみがウィーン・フィルハーモニーのメンバーになることができると記されています。

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のツアー活動は20世紀初頭に始まり、それ以来、世界中のすべての大陸にオーケストラを送り出してきました。近年では、ドイツ、日本、アメリカ、そして中国で定期的に公演を行っています。

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団アカデミーは2018年に設立されました。アカデミーの学生は、厳格な国際的なオーディションを通じて選ばれ、2年間の学習過程を通じて最高のレベルで教育を受けます。

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、音楽の人道的なメッセージを聴衆の日常生活と意識に伝えることを使命としてきました。創設当初から、オーケストラは強い社会的意識を示し、困っている人々への支援と若い音楽家の育成に取り組んできました。現在でも、オーケストラは多くのチャリティーコンサートを開催し、恵まれない人々のための活動を展開しています。

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、毎年ウィーンで40回以上のコンサートを行っており、元旦のコンサートやシェーンブルン宮殿での夏の夜のコンサートは、いずれも世界中で放送されています。また、オーケストラは1922年から毎年サルツブルク音楽祭で夏季レジデンシーを行い、年間50回以上の国際公演を行っており、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は世界でも有数の優れたオーケストラとして確立されています。

 

オーケストラはその歴史の中で数多くの賞と栄誉を受けてきました。

プログラムとキャスト

2026年7月25日・27日

アーティスト
イン・ファン:ソプラノ
ナジェージダ・カリャージナ:アルト
ウィーナー・ジングフェライン
ヨハネス・プリンツ:合唱指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
グスターボ・ドゥダメル:指揮

プログラム
グスタフ・マーラー:
交響曲第2番 ハ短調 《復活》

 

2026年8月8日・9日

アーティスト
ラン・ラン:ピアノ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
トゥガン・ソヒエフ:指揮

プログラム
モーリス・ラヴェル:
ピアノ協奏曲 ト長調

クロード・ドビュッシー:
海 ― 3つの交響的スケッチ

休憩

セルゲイ・プロコフィエフ:
バレエ《ロメオとジュリエット》より組曲 op.64
(トゥガン・ソヒエフによる編纂)

 

2026年8月15日・16日・18日

アーティスト
イヴォナ・ソボトカ:ソプラノ
マリアンヌ・クレバッサ:アルト
マイケル・スパイアーズ:テノール
マハッラム・フセイノフ:バス
ウィーン国立歌劇場合唱団
エルンスト・ラッフェルスベルガー:合唱指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
リッカルド・ムーティ:指揮

プログラム
ジュゼッペ・ヴェルディ:
レクイエム
(4人の独唱、合唱、オーケストラのための)

 

2026年8月22日・23日

アーティスト
オーガスティン・ハーデリッヒ:ヴァイオリン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
クリスティアン・ティーレマン:指揮

プログラム
ヨハネス・ブラームス:
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77

休憩

交響曲第1番 ハ短調 op.68

 

2026年8月29日・30日

アーティスト
ダニール・トリフォノフ:ピアノ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
アンドリス・ネルソンス:指揮

プログラム
セルゲイ・ラフマニノフ:
ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30

休憩

リヒャルト・シュトラウス:
《ドン・ファン》 op.20
(ニコラウス・レーナウによる物語に基づく交響詩)

《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》 op.28
大管弦楽のために作曲された ― 伝統的な悪戯風のロンド形式で

ザルツブルク祝祭大劇場

ザルツブルク祝祭大劇場(Das Große Festspielhaus in Salzburg)はオーストリアのザルツブルクにある劇場。ザルツブルク音楽祭、ザルツブルク復活祭音楽祭などの主会場としてオペラ、コンサートの両方に使用される。

祝祭大劇場はクレメンス・ホルツマイスターの設計により1960年に完成した。ザルツブルクの旧市街で大劇場を建築するための土地探しは難航したが、結局メンヒスベルクの岩盤を55,000m³ もくり抜いて建築された。ステージの大きさは世界最大級で、最大横32m、高さ9mであり、舞台裏には横100m、奥行き25mの広大なスペースが確保されている。座席総数は2179席、立ち見席はない。座席は適度な段差により、全ての座席で視界が確保され、かつバランスのいい音響である。なお、2階席後方には天井を支えるための2本の柱があり、それにより視界が一部遮られる数十席は学生席として格安で提供される。同じく音楽祭の舞台となる モーツァルトのための劇場(Haus für Mozart)(旧ザルツブルク祝祭小劇場)、フェルゼンライトシューレ とは隣接している。音楽祭以外の時期にもオペラやオーケストラコンサートが開催されている。

 

ザルツブルク生まれの偉大な指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンはここ祝祭大劇場で数々の演奏を指揮した。その功績を記念して祝祭大劇場の西側の広場を『ヘルベルト・フォン・カラヤン広場』と命名した。この広場に面した祝祭大劇場の2階にはカラヤンの部屋があり、ポルシェが停まっているときにはカラヤンがいることがわかった。またカラヤンの部屋が祝祭大劇場の舞台に向かって右側に位置したため、カラヤンだけは祝祭大劇場の右側から登場した。

 

祝祭大劇場の特徴として、オペラとコンサートホールの両方に最適な会場ということがいえる。一般にはオペラ専用、あるいはコンサート専用の会場が当然のことながらそれぞれに高い評価を受ける。しかしその両方に高い評価があることは設計年代やホールの規模から考えると驚異的でさえある。ちなみに祝祭大劇場をモデルに大阪フェスティバルホールは建設されたが、現在の出演者、観客の評価はかならずしも高くはない。このことから祝祭大劇場の国際的評価の高さは、ハードとしての劇場とともに、ソフトである、そこで催される音楽会の質、あるいは観客から、歴史までを含めた総合的なものといえる。

 

なお、音楽祭のチケット等には「ふさわしい服装で」との注意書きがあるが、現実には観光客が大半であることもあり現在ではそれほど厳しく考える必要はない。1階席でもスーツにネクタイ、女性であれば明るいスーツやワンピース、華やかなブラウスとスカート等で十分である。コンサートの場合はさらに制限は緩くなる。ただしスニーカー、ジーンズ、短パン、Tシャツ、カジュアルなサンダル等はどんな公演であっても避けること。ちなみに着物は正装なので本来は適切な装いであるが、実際には髪を結いあげたり、帯の分前方に乗り出す体勢になるため後ろの観客に迷惑をかけることになる。特に祝祭大劇場の座席は段差がそれほど大きくなく、中央付近では前後の席が重なるので極力避けるべきである。 とはいえ現在でもタキシード、ロングドレスの客も多く見られ、音楽祭の開演1時間ほど前になると、正面玄関の道路を挟んで反対側には、音楽祭の観客のドレスを見るための観光客の黒山の人だかりができる。

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