エジプトのジュリアス・シーザー

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ジョージ・フリードリヒ・ヘンデル (1685 - 1759)

ジュリアス・シーザー・イン・エジプト

 

オペラ・セリア 三幕 HWV 17 (1724)
ニコラ・フランチェスコ・ハイムによるリブレット
ジャコモ・フランチェスコ・ブッサーニのリブレットに基づく
アントニオ・サルトリオのオペラ Giulio Cesare in Egitto のため
新しい制作

 

 

あらすじ

 

第1幕

アレクサンドリア近郊ナイル川に架かる橋

ローマの将軍シーザーは、政敵のポンペイウスとの戦闘に勝利すると、逃走したポンペイウスを追ってエジプトにやって来た。エジプト人たちが合唱でそれを迎える。ポンペイウスの妻コルネーリアとその息子セストがシーザーのもとに現れ和平を申し出たので、シーザーはそれを承諾する。そこにエジプトの将軍アキッラがエジプト国王トロメーオからの貢物としてポンペイウスの首を差し出した。シーザーは嫌悪を覚えてアキッラを追い返す。コルネーリアはセストの剣を奪い夫の後を追おうとするが、シーザーの副官クーリオに止められ深く嘆く。悲嘆する母の姿を見てセストは父を殺したトロメーオへの復讐を誓う。

 

エジプト王宮内のクレオパトラの私室

トロメーオの姉でエジプトの共同統治者であるクレオパトラは真の女王になることを夢見ている。そこに従者のニレーノが現れ、シーザーとアキッラのやりとりを報告する。クレオパトラは自らの魅力でシーザーを籠絡し、その助けでエジプトの女王になろうと画策する。トロメーオが現れクレオパトラを牽制するが、反対に彼女から嘲弄される。残されたトロメーオのもとにアキッラが現れ、シーザーがトロメーオを非難していたと告げ、シーザー暗殺を提案し、成功の報酬にコルネーリアとの結婚を持ち出す。

 

ローマ軍の陣地

シーザーはポンペイウスの死を悼み、人生の無常に思いを馳せる。そこにクレオパトラが侍女リディアと偽って現れ、トロメーオへの不満を訴える。彼女の美貌に魅了されたシーザーは助力を約束する。コルネーリアが剣で自害しようとするが、セストに止められる。その様子を見たクレオパトラは2人の前に出てトロメーオを倒す協力を求め、ニレーノが手引きすると申し出る。

 

トロメーオの宮殿

トロメーオに招かれたシーザーは、暗にポンペイウス殺害を非難する。トロメーオはシーザー暗殺を心に誓いつつも、表面上は穏やかに接し、シーザーたちを王宮に案内する。アキッラがコルネーリアとセストをトロメーオの前に連れて来る。トロメーオはコルネーリアの美しさに見惚れるが、母子は彼を痛烈に非難する。アキッラはコルネーリアに自分の妻になれば母子とも自由にすると告げるが、コルネーリアは頑として受け入れない。衛兵たちが母子2人を引き離し、母子は嘆き合う。

 

第2幕

パルナッソス山の美しい森

シーザーがリディアとの逢い引きにやって来ると、美しい調べが響きわたる。徳の女神に扮したクレオパトラが現れ、甘く美しい歌を歌う。クレオパトラの思惑通り、シーザーはリディアへの愛をいっそう募らせる。

 

後宮の庭

アキッラが泣いているコルネーリアに愛を語るが、コルネーリアは再度拒絶する。トロメーオが現れアキッラを下がらせると、彼もコルネーリアを口説きにかかるが、コルネーリアに求愛を撥ね付けられ、怒りと欲望を募らせる。コルネーリアは自害を試みるが、ニレーノの導きで後宮に入って来たセストに止められる。ニレーノはトロメーオが後宮で無防備の時をねらって殺してしまいなさいと言う。セストは復讐を誓い、トロメーオの元へと向かう。

 

喜びの庭

寝室でシーザーはクレオパトラと愛を語らう。そこにクーリオが駆け込み、エジプト人たちの襲撃を報告する。クレオパトラは自分の正体を明かし、襲撃者たちを鎮めに向かうが暴動を抑えられない。彼女はシーザーたちに逃げ道を教えるが、シーザーは武器を持って戦いに赴く。残されたクレオパトラはシーザーを案じて天に祈る。

 

後宮の一室

トロメーオが妾に囲まれながら、コルネーリアに夜の白衣を与える。セストがトロメーオに襲いかかるが、アキッラが現れ彼の剣を奪い取る。アキッラはシーザーが逃げる途中で海に飛び込み、クレオパトラもローマ軍のもとに逃げていったと報告し、約束の褒美としてコルネーリアを望む。しかしトロメーオは約束を拒否してローマ軍との戦いに向かう。セストは絶望して自殺を試みるが、コルネーリアはそれを止め、ローマ軍に加わって戦うようにと諭す。

 

第3幕

港に近い森

トロメーオの態度に怒ったアキッラはクレオパトラに寝返る決心をする。クレオパトラの軍勢がトロメーオの軍勢に敗れ、クレオパトラは捕らえられる。クレオパトラが連行された後、海を泳いできたシーザーが現れる。セストとニレーノが通りがかり、瀕死のアキッラを見つける。アキッラは王に裏切られ死ぬ身であるからと言って、将軍の印をセストに渡し、軍を率いて王に復讐して欲しいと言い残して死ぬ。シーザーは2人の前に現れ、セストの手から印章を受け取ると再度戦いに赴く。セストも希望を取り戻し奮い立つ。

 

クレオパトラの部屋

兵士に取り囲まれたクレオパトラは死を覚悟している。そこへシーザーが兵を率いて彼女を救いに現れ、クレオパトラは喜ぶ。

 

王宮

トロメーオがコルネーリアに言い寄っていると、セストが現れてトロメーオを殺し復讐を成し遂げる。コルネーリアは息子の勇敢さを称える。

 

アレクサンドリアの港

勝利を収めたシーザーはクレオパトラとともに人々の前に姿を現す。セストがトロメーオの死を報告し、シーザーへの忠誠を誓う。クレオパトラはトロメーオの王冠をシーザーに渡す。しかしシーザーはクレオパトラこそエジプトの女王であると言って王冠をクレオパトラに返す。一同の歓喜の声で幕となる。

プログラムとキャスト

エマニュエル・エイム - 音楽監督およびチェンバロ
ドミトリ・チェルニアコフ - 演出およびセットデザイン
エレーナ・ザイツェワ - 衣装
グレブ・フィルシュティンスキー - 照明
タチアナ・ヴェレシャギナ - ドラマトゥルギー


クリストフ・デュモー - ジュリオ・チェーザレ
オルガ・クルチンスカ - クレオパトラ
リュシル・リシャルド - コルネリア
フェデリコ・フィオリオ - セスト
ユリ・ミネンコ - トロメオ
アンドレイ・ジリホフスキー - アキッラ
ジェイク・イングバー - ニレーノ


バッハ合唱団ザルツブルク
ミヒャエル・シュナイダー - 合唱指導
ル・コンセール・ダストレ

モーツァルトの家

モーツァルトのための劇場、旧ザルツブルク祝祭小劇場はオーストリアのザルツブルクにある劇場。2006年モーツァルト生誕250年を記念して「モーツァルトのための劇場」と改称された。なお日本では モーツァルトの家 とも呼ばれる。1960年に完成した隣接する祝祭大劇場とともに、ザルツブルク音楽祭の主会場である。

 

1924年ザルツブルクの建築家エドワルト・ヒュッターにより、ザルツブルク宮廷の旧厩舎が改築され、最初の 祝祭劇場を使用したフーゴ・フォン・ホーフマンスタールの神秘劇が、マックス・ラインハルトの演出で開催された。翌1925年には、すでにクレメンス・ホルツマイスターによる改修が行われ、現在まで続く祝祭劇場の重要な利用目的、つまりドーム広場で開催される「イェーダーマン」が雨天の場合の上演場所が確保された。同年、祝祭劇場でブルーノ・ワルター、カール・ムック、フランツ・シャルクの指揮による3回のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公演が行われた。祝祭劇場でのはじめてのオペラ公演は、1927年ベートーヴェンの没後100周年にちなみ、フランツ・シャルク指揮、ウィーン国立歌劇場の出演で「フィデリオ」が上演された。1936年の改修記念として、再び「フィデリオ」がトスカニーニの指揮で上演された。ちなみに両方の公演ともロッテ・レーマンがタイトル・ロール(レオノーレ)を歌った。1939年の改修記念として、カール・ベームの指揮によるリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」が上演された。

1960年祝祭大劇場の完成とともに、これまでの祝祭劇場は「祝祭小劇場」と改称され、モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」やリヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」などの比較的小規模のオペラの舞台となった。1963年の改修記念として、ロリン・マゼールの指揮によるモーツァルトの「フィガロの結婚」が上演された。この時点でのホールの規模は1,324の座席と60の立ち見席である。

2006年ルクセンブルクの建築家フランソワ・ヴァレンティニにより最も新しい改修が行われ、これまで長年の課題であった、フェルゼンライトシューレと祝祭小劇場の同時使用が可能になった。(従来までは同じロビーを利用していた。)改修記念公演としてニコラウス・アーノンクールの指揮による「フィガロの結婚」が上演された。またモーツァルト生誕250年を記念して、「祝祭小劇場」は「モーツァルトのための劇場」(と改称された。客席は拡張され、現在の座席数は1,495席、立ち見席85である。

なお日本では『モーツァルトの家」とも呼称されるが、「モーツァルトの生家」あるいは「モーツァルトの住居」と紛らわしいため、より的確な名称が望まれる。NHKでは『モーツァルト劇場』と呼んでいる。

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